第8話 綺麗だよササミ
しらけきった高校、大学生活をなんとか終え、俺は小学校の教師になった。新米教師の毎日は、試行錯誤の連続で疲れ果てていた。
その日も残業を終えて、自宅のある北留駅の階段をのろのろと降りていたときだった。俺の横をひとりの女性が足早に通りすぎて行った。俺は、その後ろ姿に言いようのない懐かしさを感じて、大急ぎで彼女を追い越し振り返えった。ササミ!? 随分スレンダーになっていた。若草色のワンピースがよく似合っている。声をかけようか迷っているうちに、ササミは、緑の風が吹き抜けるように俺を追い越し視界から消えていった。
俺は「ササミ」と呟いていた。
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