その男子は、世界を器とする。
- ★★★ Excellent!!!
為義はとある白拍子と出会う。
鬼女と呼ばれる彼女の名は――玉藻。
やがて玉藻は懐妊する。
その男子の名は八郎。
後の、源為朝である。
父に疎まれ、母に捨てられた為朝。
この世には善なるものは一つもない。
人の好意や仏の慈悲などを信じるのは迷妄の最たるものである。
そう考えていた為朝は、傅役の重季によって少しずつ変わっていく。
やがて彼は、世界の広さを知り、人と出会い、仏の教えに触れる。
そして伝説の武士になり、母と対峙することになる……。
戦の高揚と虚しさを知り、理不尽に憤る。
九州に広く名を残す八郎為朝の伝説、ここに!