星になったサンタさんからのプレゼント

ゆる弥

星になったサンタさんからのプレゼント

 聖夜の夜にサンタクロースがやってくる。

 そんな常識はいつの頃からあるのだろうか。

 物心ついた頃から知っていた当たり前の事だった。


「ねぇ、今日はサンタさんが来るんだよね?」


 私の息子は飛び跳ねてテンションを上げている。ウチのサンタさんも来るのは当たり前になっていた。


 今年の初めに亡くなった父も、私のサンタさんだった。父に思いを馳せていると、来客を告げるチャイムがなる。


 なにやら荷物が届いたようだ。

 差出人は亡くなった父。


 不審に思いながらも荷物を受け取り開ける。

 手紙と父が生前大事に保管していたウイスキーが入っていた。


 手紙を開くと家族への思いが綴られている。

 そして、最後に『メリークリスマス』と。


 目から溢れる気持ちを我慢できずに崩れ落ちた。ユニークな父だったけど、まさかこんな不意打ちがあるとは。


「パパどうしたの?」


 目に涙を溜めた息子は私にしがみついてきた。


「大丈夫。ごめんね。パパにもサンタさんが来たみたいだ」

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