第6話

 いつの間にか魔女が姿を消して、頭上に迫っていた底辺を、二本の足が踏みしめていた。

 まるで潮が引くかのように、闇に染まった世界が薄まっていき、私の足元から伸びる影が

 伝承通りに、私の肉体が吸血鬼となって目覚めた時、私の目は極上の青を見ることができるのだろうが。


 目が覚めた時の私は、果たして【私】であるのだろうか?


『だけど、人魚姫は幸せになれるよ』


 願わくば、彼の孤独の痛みを、少しでも和らげる存在でありますように。


【了】

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in water(イン ウォーター) たってぃ/増森海晶 @taxtutexi

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