第6話
いつの間にか魔女が姿を消して、頭上に迫っていた底辺を、二本の足が踏みしめていた。
まるで潮が引くかのように、闇に染まった世界が薄まっていき、私の足元から伸びる影が少女のようなシルエットを描く。
伝承通りに、私の肉体が吸血鬼となって目覚めた時、私の目は極上の青を見ることができるのだろうが。
目が覚めた時の私は、果たして【私】であるのだろうか?
『だけど、人魚姫は幸せになれるよ』
願わくば、彼の孤独の痛みを、少しでも和らげる存在でありますように。
【了】
in water(イン ウォーター) たってぃ/増森海晶 @taxtutexi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます