これが芸能記者のリアルだ!

作家は経験したことしか書けない。
なんて言葉を信じているわけではありませんが、お話を書く上で経験は大きな武器になると思います。
例えばお仕事ものなんて、実際にその仕事をやったことがあるかどうかで、描写に大きく差が出そう。

そんな中本作は、フリーライターをやっていた作者様が書く、カメラマンと記者のお話。
そちらの業界にいた経験が十分に活かされているようで、書かれ方が美女にリアル。
世の中に出るスクープ記事の裏側にはこんなやり取りが、そこにたどり着くまでにはこんな苦労があったのかと感心させられます。

さらに本作の魅力は、マスコミの裏側をリアルに書いたというだけでは終わりません。
主人公である新人カメラマンの澄生くんと、先輩のエース記者である紫子さんの人間ドラマ。
この業界に入ってばかりでまだ右も左もわからない澄生くんが紫子さんに教わりながら、どうやって成長していくのか。
さらに、紫子さんもある事情を抱えているようで、どうやってそれを知り解決していくのか。
気になる部分は追っているスクープだけではないのです。

普段誰かにカメラを向けている彼らですが、読者としてはそんな彼らの行方も気になります。

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