七神の剣で運命を拓け。神を墜として新たな神話を築く、少年たちの英雄譚。

 プロローグ、衝撃の場面から幕開けするこの物語は、オリジナルの神話を絡めた、世界と人々の再生の物語でもあります。
 主人公はごく普通の少年、レオン。写真を撮るのが好きな彼は、家の近くにある神社の森で、木の幹に刺さった不思議な美しい剣を見つけます。その光景に魅せられ写真を撮ってきたはずなのに、何一つ映っていない不思議。それが、始まり。

 異世界から来たという少女に誘われ、レオンは森の向こうを目指して旅立ちます。剣に選ばれた、という王道的な切っ掛け、そして世界を救うという使命。しかし、彼らが立ち向かわねばならないのは怪物や悪人などというシンプルなモノではなく、何者かの采配による枠組み、古き神話、あるいは超越者のようなもの――。
 七神剣とタイトルにある通り、剣を持つ七人の仲間と、彼ら彼女らに関わる人々の愛憎が物語の骨子になります。どちらかといえば、というよりはかなり、治安の悪い物語であり、登場人物みな複雑に愛を拗らせています。ぶつかり合う巨大感情の果てに、彼らはどんな未来を掴むのでしょうか。

 完結しており、最後まで見届けることができます。
 キャラも個性的で近況ノートにはイラストも豊富ですので、色々な楽しみ方ができるでしょう。ぜひご一読ください。

その他のおすすめレビュー

羽鳥(眞城白歌)さんの他のおすすめレビュー959