幾つもの世界を行き来する星降堂。フシギな魔法具が起こす小さな幸せの物語

主人公は小学五年生の光星 空(みつぼし そら)。
魔法使いに憧れ、魔法の勉強をするという夢想家な面のある男の子。
あるとき空が見つけたのは、不思議なものを売っているお店。
その不思議なお店で『魔女』の店主と出会い、物語は大きく動き出す……

空くんの一人称で語られる物語のため、地の文にひらがなが多いのも少年の心情が表れており、全体的に柔らかい雰囲気がある作品です。

綺麗で不思議な世界観を描くのが非常に上手い作者様で、空くんが赴くキラキラした世界や、不思議な魔法具の描写を読んでいるだけで楽しい!
空くんが色んな世界を訪れ、そこで困っている人々と交流しますが、同じ作者様の作品の世界が出てくるのも楽しめる点です。
鳥の獣人である鳥子さんや、星屑の結晶に火を点けると爆発する場面が出るなど思わずテンションが上がるときも笑

出てくる世界は独特でも、そこで描かれているのは親子関係や将来の夢、臆病な気持ちなど現実世界にも共通する普遍的な問題。
その問題に苦しむ人に一生懸命に寄り添う空くんの真摯でやさしい姿を目にするだけで、何だかこっちもやさしい気持ちになれます。

空くんと魔女さんの心温まる旅を、そっと見守ってほしい作品です!

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