美しい調べが飾る「愛」の物語( ;∀;)

僕はこの物語を読んで、どの様な美しき表現がこの先に生まれるのかと期待しています。

こちらの筆者様の作品で、最初に拝読させて頂いたとある物語があります。僕はその主人公が歌唱する場面が、とても美しいと思いました。音楽的な造形の深い筆者様が生み出す表現は、表層を越えて、深い部分で読者様に訴えて来ると感じております。

さて、そんな筆者様が書かれる本作を鑑みるに、少しダークな世界観が漂います。ただし、物凄く暗いものではないのでご安心を。それは悪魔という存在がいる世界です。

悪魔、皆様はどういう存在を想像致しますか? 人により様々なイメージがあるとは思いますが、簡単に言えば邪悪な者であると思います。そして、その根幹にあるものは「悪意」です。この「悪意」という意識が悪魔なる存在を産み出します。

ではその対極に神を思い浮かべた場合、その根幹はなんでしょう? 勿論すぐにご理解頂けるかとは思いますが「愛」です。

「悪意」と「愛」この二つの意識は戦うという構図ではありません。よく善と悪の戦いなどと言いますが、もっと根源的な部分で考えると「悪意」と「愛」という意識は存在であり、人間はその影響下にあると感じます。

この関係は、多少の誤解を含みながらも、敢えて「北風と太陽」みたいなものだろうと思うのです。「愛」、それはとても心穏やかで暖かいモノであり、改めて大切なテーマでもあると考えます。

お勧め致します。

音楽への並みならぬ愛を持たれる筆者様が、美しい「愛の歌」の物語を書かれております。ファンタジーとしての魅力を放ちながらも、読み手に大切な「愛」とは何であるのかを問いかけて来るようです。

皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)

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