毎日が辛い
カイシュウ
第1話
いつも思う、期待が重すぎる。
つらい、その期待に添えないかもしれないと
もう抜け出したい、この中から
俺は完璧じゃない、天才でもない
努力で誤魔化してきただけだ
そんなことも知らずに奴らはまた
無理難題を押し付ける
もしかしたら、最初に頑張ってしまったのが間違えだったのかもしれない
頑張って褒めてくれることに満足感を感じた
でも、次から次へと増えて難しくなっていく
徒競走、
テニス大会、
マラソン、
英検三級、
中学受験、
海外渡航、
英検準一級、
難関高校受験、
最初は良かった、
でも人は気づく、
自分は凡人だと、
俺が気づいたのは小学5年生、
この頃、俺は調子に乗っていた、
成績も多少良かったし、人間関係も良好
ただ、知ってしまった
才能の差を
「才能の差なんて努力で覆せる」
そんな言葉を言う人は
元から才能があるやつだ
俺は魅せられた、
その才能に
俺の努力を考えさせられた
ここで俺の熱は冷めてしまった
ただ、それでも奴らは期待を寄せる
俺は恐怖していた
奴らに失望されることを
だから、俺は努力をやめられない
俺が始めて失望されたのは、
中学受験だ
この頃は才能の差に知り、やる気が出なかった
自分は虚栄心に塗れ
現実を直視せずに
嘘を吐き
失敗した
あの時の表情は忘れられない
失望、
駄作、
諦念、
同情、
哀愁
誰も俺を認めてないと気づいた
あの表情を見てから、俺は自分を守るために努力し始めた、
満足感のためじゃなく、あの表情を向けられないために
辛かった、言い切れない不安に追われる環境は、
逃げたかった、そんな勇気もないはずなのに、
いつしか、それが当たり前となり
俺の理想が、奴らの思う理想に変化した
金持ちで安定していて、
文武両道であり、
人に優しく接して、
人の上に立ち支配する
そんな
理想の俺になるため
また、努力した
学校では
低くてもテスト30位以内
卓球の大会で入賞
通知表は40以上
人に頼られたら助ける
クラスのまとめ役になる
全部やった
そんなことをしていると、他の人たちが話しかけてくる
「やっぱお前は天才だな」
「君は本当に優秀だね」
「ありがとう」
俺はそんな言葉を聴くと、
嫌悪感を感じた
(努力もしたことないお前が天才と口にするな)
(人の本性も見抜けない雑魚め)
(俺は善意で助けてないから、ありがとうを口にするな)
こんなことを思っていた
そんなことを思うと
自分の造られた理想に反した気がして、
気持ち悪さを抱く
(ああ、生まれ変わりたい)
こんなことが思い浮かんでしまう
さらに、海外渡航をしてから俺は
さらなる自己嫌悪に陥る
外人はほとんどの人が
自分のポリシーを持っていた、
その姿を見ると
俺は激しい嫉妬心と後悔を抱く、
俺も自由になりたいと
ここで自分は、奴らに強く束縛されていると認識する
俺が日本で他の人に嫌悪感を抱いていたのは、
羨ましいからだった
しかし、俺は行動を変えられない、
失望されたくない一心で同じことを繰り返していた
元々、努力は好きではないが
自由に渇望した状態の努力は辛すぎた
俺という存在が
矛盾して、
自己嫌悪して、
今までの価値観が崩れて
俺が壊れる音がする
死にたい、死ぬ勇気もないくせに
変わりたい、変える方法も知らないはずだ
生まれ変わりたい、物語の中に縋るな
解放されたい、奴らに支配されている現状で?
辛い、自分が始めてストーリーだろ
自由に生きたい、理想と反している
一人になりたい、今まで一人で動いたことはないだろう?
少しの綻びが大きくなっている
自分は空っぽだ
奴らの操り人形
生き地獄
結局、俺は何がしたいんだろう?
わからないな
ああ
「辛いな」
だれか、俺を
毎日が辛い カイシュウ @key0717
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