透明な世界で、暗い赤色が愛おしくて仕方がなくて

この世のものとの交流を忌避し、あの世のものと話すことが出来る睡蓮。
唯一琴子は、彼女の心に触れることが出来る存在だった。

「わたしはこの世界から、虐めを一つ残らずなくしたいと思っているんだ」

そんなことを願う睡蓮は、やがて命を絶ってしまう。
その後、琴子の周りでは、次々と怪奇現象が起きる。
引き起こしているのは、幽霊の睡蓮による呪いなのか。

「睡蓮には睡蓮のことだけを、救ってほしかったのに」
そう願う琴子は、最愛の友人の抱えていたものに触れる。

最後まで読んだ時、タイトルに込められた想いは、慟哭のように、恋い慕うように。

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