第22話  だって、このまま終わらせたら

「………………………………………あ〜あ、どうするのかな、これ?」


西河さんが、おふとんの上で、頬杖をついたままで、溜息をつきながらぼやくように言葉を放つ。


ホントに、どうしましょうか。

最後までするしか、ないわよね。


「………………………………………おいっ、法川さん?何を、しているのかな?」


東山君は、勢い込んで話し始めたけど、途中から私が腰を強く振り始めたので、戸惑い混じりの言葉遣いになって。


「ん、昨夜の、続きだけど?」


「えっ、続き、って?」


「そう、続きよ。」


そう、続きなのよ。

だって、このまま終わらせたら、西河さんに負けたような気がするから。


「………………………………………でも、何で?」


「だって、このまま終わらせたら、もう東山くんとスル機会が無いような予感がしたからさ。」


ゆっくりと、東山くんの目を見つめながら、上下に、前後に、左右に、腰を動かし続ける。


「え〜、私の時よりも、激しいじゃないのよ。嫉妬しちゃいそうだわ。」


いつの間にか、西河さんは、正座をしながら私達の交わりを見つめていて、そのまま近付いて来たと思う間もなくスマホを手に取り撮影を始めてきて。


「………………………………………えっ、あ、よせっ、西河っ、や、やめ、っうあ!」


東山くんが、西河さんに向かって叫んだけど、私が腰を動かすスピードを上げたら言葉に詰まってしまって。


「ふっ、ぅ、あ、西河さん、後で、私にも動画データ、送ってくれるかな?」


「ええ、いいわよ〜、代わりにこの後、私たちも撮影して欲しいな。」


ん〜、それぐらいなら、聞いてあげてもいいかな?


いつの間にか逝ってしまった東山くんが、私の下でグッタリとしてしまって。


「う、ふぅ〜、もう少し、我慢して欲しかったかも。」


「そうね、でも、このまま続けるのは厳しいかもね。みんなでシャワー浴びてから一休みして、朝ご飯済ませてからシテ欲しいなぁ?」


そうだよね、このまま続けるのは、厳しいわよね。

私は東山くんの上からゆっくりと立ち上がり、その様子を西河さんが撮影しているのを確認してから、東山君のモノに被さったコンドームをゆっくりと剥がしていく。


「さあ、お風呂、みんなで済ませましょう!」


えっ?このまま行くのかな?

疑問に思う間もなく、東山君も立ち上がって私と西河さんの手を取ってきたので、三人でお風呂に向けて歩き始めた。

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捨て犬を拾ったら、捨て猫を抱いた黒髪清楚な彼女が出来て結婚までしてしまったお話 じん いちろう @shinn9930

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