愛しい人を胸に嫁ぐ娘の物語【神代の時代】

これは神々が国を支配していた時代のこと。

湖の邑で生まれ育った少女ミヲは、山から降りてくるスラギに恋をする。
しかし、スラギには探し求める人がいていつかこの邑を離れねばならない。
一方のミヲも、邑の長の娘として王子に嫁がねばならぬ運命であった。

弓の島とは神武天皇以前の日本であるのかどこなのか。
スラギの正体とは……!?

美しい情景描写と繊細な心情描写がやや硬質な文体で書き表され、この崇高な世界に惹き込まれる。

神代の時代であっても、生きとし生けるものはみな同じであるということを感じさせてくれる心温まる作品です。