美しき不可視の領域

  • ★★★ Excellent!!!

見えないものを見通す力があるアーティカ。
魔女であり、不可視の領域を見通すレンズを造ることができる彼女は亡国の王女でもある。
しかしそれも過去の事であり、今は後宮へと売られそうになっている身だった。
そんな折、彼女の前に現れたのは異端審問官であるヴィンスと言う男だった。

幻惑的な物語は儚げな様子に始まり、アーティカがヴィンスと出会い、時を過ごすとより明瞭となり色付いていく。
二人が紡ぐ愛と、魔女としての力に染まりそうになるアーティカ。人でない身へと変わりつつある中でも、アーティカの心にはヴィンスがいた。
繊細に見えて、魔女としての矜持を持つアーティカの強さが物語の中でも力強く描かれている。

この方の文章はとにかく美しい。洗礼され、美麗に綴られる物語の美しさ。それにより、物語の出来事一つ一つが際立っているのではないでしょうか。
オススメです。

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