中華後宮ものながら、後宮におさまらない本格歴史絵巻!

後宮なのだから溺愛ハッピーエンドを目指すのかと思いきや、こちらはそういう物語ではありません。
後宮のはした女だった娘が、理不尽な法により姉を失ったこと、そして姉の忘れ形見までをも奪われたことから考えたこととは――?
少し間違えれば命をなくす、ぎりぎりのところで知恵をしぼり、立ち回る。
そうして目指すのは法を変え、国を手中にすること!

なんとも気宇壮大な、ひとりの女性の物語です。それが美しい描写とわかりやすい文章でつづられていき、息を飲みつつ読み進めました。

寵愛を一身にする美姫ゆえに、はたからは手練手管を弄するように思えます。でも心底にあるのは哀しみと怒りなのです。
芯の強い女の生きざまが、どう国を揺るがし変えていくのか。

まだ連載の途中ではありますが、読みごたえのある物語です。

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