艶っぽく、哀愁もただよう、大人の一話。おすすめ!

ここは色街───ドゥール=ベルテシア。

一室で、二十五歳の娼妓と、同じく、二十五歳の男が対峙している。
(あ、大丈夫。服は着てるよ!)

男の名前はキリエ。
娼妓張りに美しい顔立ち。
得体の知れない闇を感じさせる黒の瞳。
ふんとニヒルに笑う男。

彼は、娼妓をスカウトする「札引き」に齢15という異例の若さでなった。
めきめきと頭角を現し、「ドゥール=ベルテシアにその人有り」と言われるまでに登り詰めた名札引きである。

一方、女の名前はヤト。
彼女は、十年前にキリエから言われた、ある一言が、ずっと胸にひっかかっていた……。

色街の一室で、娼妓と、娼妓のスカウトが交わす言葉。
大人っぽく、あだっぽく。
ラストも、「なるほど」と思わせる……。

あ、これ、蜂蜜ひみつ様の「てんとれ祭」に参加作品でして、「てんとれないうらない」の詩を使用して、物語を綴るというもの。
それも、と〜っても効果的に使われています。
う〜ん、すごいなあ。

「フォーン帝国列世記」のスピンオフですが、未読の読者さまでも、すっと読めますよ。

おすすめですよ!
ぜひ、ご一読を!