概要
私の弟は天才だ。やつは白い空に青い雲を描く。
柴田恭太朗様主催の自主企画【三題噺 #37】「皿」「剣」「サイン」 に参加するために書きました。
嶺は焼物の職人である父に憧れて修業を始めて4年。
中学に入ってから絵付けの修業を始めた弟の晴はあっという間に上達して嶺を追い越した。
嶺は焼物の職人である父に憧れて修業を始めて4年。
中学に入ってから絵付けの修業を始めた弟の晴はあっという間に上達して嶺を追い越した。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!赤い山は、青空を待つ
柴田恭太朗さんが企画している三題噺。
その時のお題は、「皿」「剣」「サイン」だった。
こちらはその三つの単語が無理なく納まるところにぴたりとはまった掌編で、細部まできちんと描き込まれている。
反射的にここまでの作品を作れるのは、作者の中にたくさんの小説の素材があるからだ。
山嶺は赤く白く晴れ渡る。
意味深な題名。「赤く」「白く」と続けることで、わざと少し引っかかるような感じを残してある。
ここには、嶺(レイ)と晴(ハレ)という姉と弟の名が隠されている。
四歳違いの姉弟は父親の窯元で、修行中だ。
空は白くないし山は赤くない。
しかし日の出においては、山は赤く燃えて…続きを読む