カクヨムコン9ライト文芸部門特別審査員賞受賞作

人生に煮詰まった主人公が出会った不思議なカフェ。そこに集う者たちとの交流のなかで、自分を見つめ直し、新たな再出発をする。こう書いたらよくあるお馴染みの話に聞こえるかもしれないが、人物たちはそれぞれの悲しみを抱えながらもあくまで語り口は明るい。「刺さる」強い小説ではないが、まるで自分の背中を「さすって」くれるような味わいがある。小説とは嘘だけれど、作者の筆に嘘はないと評価した。

(特別審査員・キタハラ)

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