第3話
噂によれば、今から数年前。
高校生カップルの初デートで、ここの13番テーブルが使われたという。
その際、緊張した男の子が飲み物のグラスを倒してしまった。テーブルからも
その様子を「おしっこ漏らしたみたい!」と相手の女の子から笑われて、しかもこの出来事がきっかけでフラれてしまう。
多感な思春期の少年にとっては大事件であり、彼は投身自殺してしまった。
この少年の怨念が、問題の13番テーブルに染み付いて……。
テーブル上にこぼれた飲み物をテーブルの裏側まで透過させて、強引にズボンを汚すことで、そこに座った者を辱める。そんな呪いが出来上がったという。
田中から話を聞かされた時は「都市伝説にしても荒唐無稽」とか「怖い話というよりむしろ笑い話」とか思ったものだが……。
実際に自分が経験してみて、初めて理解できた。
ズボンの股間を茶色く濡らした状態で駅前から帰るのが、どれほど恥ずかしいことか。呪われた13番テーブルがいかに恐ろしいか、と。
(「13番テーブルの恐怖」完)
13番テーブルの恐怖 烏川 ハル @haru_karasugawa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
カクヨムを使い始めて思うこと ――六年目の手習い――/烏川 ハル
★209 エッセイ・ノンフィクション 連載中 298話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます