放送部員の日常

第6話 寒いんじゃ

雪ですよ。

「乾燥ヤバくない？」

「肌荒れするわ」

「わかるー」

唇がどうしてもがびがびになるので、リップクリームを手放せない。この時期になると、リップクリームを持っていないことが違和感になっている。

「唇の薄皮むける」

「いてぇからやめろ」

「やんないし。リップクリーム手放せないわ」

「俺はそれ嫌い」

「慣れないうちはそうだよね。慣れると手放せない」

最近ではハンドクリームも追加されている。ささくれ痛いじゃんね。

「次の授業なんだっけ」

「お前の嫌いな英語」

「発音できないよね～」

「わかる」

英語の発音ってなんであんなに難しいんだろうね。下を軽く噛んでとか無理。わけわかんない。

「新しい文法だったはず」

「あ、予習やってねぇ」

「どんまい」

「間に合うと思うか？」

「ぎりアウトかも」

のこり５分で何ができるというのかね。

まったくやらないよりはマシなので、雄大はノートに予習を始めた。

あの先生、時間ぴったりに来るんだよね。悪あがきである。