お話の作者様のご説明にもあるように
作者様の作品
「紅艶 〜椿売と鎌売〜」
https://kakuyomu.jp/works/16817330661631720718
を最初にご覧になる。
若しくは、このお話を読んだ後にこちらをお勧めします(^^♪
こちらのお話で悲しい出来事があり、それよりある意味残された主人公と姉妹2人の愛の物語です。
3人ともしっかりとお互いを思っており、一夫多妻が認められていた奈良時代の夫婦関係を、『紅艶』にあるお話をバックグランドにして、素敵な物語にと昇華しております。
私は『紅艶』を先に読み、こちらを読んだので、少しだけ『んんん?紅艶のお話を考えると~~』と思いながら最初を読み始めたのですが、見事にそれが『優しさと愛』に変わってくれました。
それが何なのか!?
それをこれらの作品を読んで感じてくださいまし(^^♪
ネタバレにもなりますし、それがこのお話の一番の肝だと私は思っておりますのでここでは内緒なのです!
『紅艶 〜椿売と鎌売〜』の後半の主人公、鎌売の兄、億野麻呂の愛の物語です。
かつて袖にされた池田君久君美良が忘れられない億野麻呂、その面影を残す彼女の妹、阿耶売に求婚します。すると、阿耶売も、その妹の之伎美も億野麻呂のことを望み……。
どんなに仲睦まじい男女でも、互いを100パーセント理解しあえるわけではありません。その不完全さに苛立ちや焦りを感じてしまえば、たとえ一対一の男女であっても、幸せにはなれません。むしろ一対一のペアであれば、自分が得た男/女だという意識は強くなりがちなのではないでしょうか?一夫一婦制には、いつの間にか相手を束縛し破局に導いてしまう、ひとつの道筋がしのんでいるものなのかもしれません。
翻って、一対複数なら? この物語のように、仲の良い姉妹で一人の男を愛するのであれば、自分が男の唯一の存在だという認識を募らせることもなく、愛する人と自分との間にほどよい距離感を保てるかもしれません。
なかなかに考えさせられる物語です。
僕はこの物語を読んで、女の子の愛情について考えさせられました。
恋をする時に情という部分はすごく影響があります。どういう事かと言うと、恋って言うのは単純に言えば、誰にも等しく訪れる「衝撃」です。でもその恋を形作るのに持って生まれた情という部分がとても重要で、様々な愛の形が存在するのです。
尽くす子と我儘な子、楽しむ子と消耗する子、ものわかりがいい子とめんどくさい子、放任する子とかまってちゃん、シンプルに書くだけでもいくらでも出て来ます。それだけ恋の形はそれぞれで、その子の情にとても影響されてしまうのです。
情により形作られる愛、だから愛情と呼ぶのです。その想いはその人だけの特別な恋心の結晶だと僕は思っています。
そして、この物語の中に出て来る姉妹の愛情、それはとても、とても深い情です。
どの様な愛の形が物語にあるのかは書きませんが、それはただ一言「愛らしい」と表現させてもらいます。女性が愛らしく思える、そんな幸せがこの物語には、いっぱい詰め込まれています。
さらに、ここに登場する男性。僕は同じ男としてとても共感致します。そしてそうありたいとさえ考えます。そういう男性が見事に書き込まれております。
恋が生まれ、その情により育まれる「特別な愛のカタチ」。この物語はさっと読んでも面白いし、深く読めばより恋愛の「ひとつの深み」を知る事も出来る素晴らしい物語です。
お勧め致します。とても素敵な物語です。
皆様にも、幸福な読後感が必ず訪れると僕は信じています。
どうぞ宜しくお願い致します( ;∀;)