カオスの国、中国

二十年以上前の作者様の実体験をもとにしたエッセイです。
当時の中国の混沌っぷりが目に見えるようです。

特に作者様は、旅行ではなく仕事でそれなりの期間を滞在されていたもよう。
非日常で終わる一過性の旅とは違い、日常の中に混沌がこれだけ入り込んでくるのですから、カルチャーショック以上のものが伝わってきます。

エッセイは表題通り、広い大陸を列車で旅した時の様子を中心に描かれています。
チケット争いから始まって、乗務員優先のスケジュールの数々。カップ麺はあれどお湯のない片手落ち、でも誰も気にしない。
車窓の旅などと優雅なものじゃない。

でも硬座の庶民たちを含めて、たくましく生きる人々の息遣いを感じました。

カップラーメン勝負(?)に負け越してしまった作者様が、新しく赴任する栽培地でどうなってしまうのか。
いつか続きを読みたいエッセイです。