捨てられた銀と金の少女は身を寄せ合い、極寒の町を往く

スリで生計を立てるスラム街の少女イリーナと富裕層の娘フェルニナ。それぞれ出生に謎を抱える二人は極寒の町で出会い、互いに惹かれ合う。二人はただ友達との思い出が欲しかっただけ、だがそこに互いの出生と大きな思惑が絡み・・・

まず惹かれるのは寒々しい町の描写です。ビルの排気口から吹き出す食用油の匂い、布のブーツに染み込んだ雪解け水、半狂乱の母との別れ・・・こちらの心の中にまで寒風が吹きすさぶようです。

このイリーナちゃん、ただの不幸な子ではありません。一人で生きていく意志と力を持っていて、薄汚れた町の片隅でしたたかに生きていきます。大きな思惑の中で離ればなれになったフェルニナとの再会は叶うのか・・・

不幸なだけでは終わらない強くてしたかな少女の物語、お勧めさせて頂きます。