癒やすのか滅するのか。紅い瞳の皇子は魔界と人界の運命を握る。

弱肉強食の魔界。乱世の人界。

優しく幼かった魔族皇子は争いを好まず、
自分の能力を押し殺し、隠し、逃げていた。
しかし、大切な者を無惨に殺されたことで
これまでの生き方をかなぐり捨てる。

二度と失いたくない。でも…

傷ついた彼のもとには仲間が集う。
痛みを、生命の重みを、
失った哀しみを知る者。
彼らの出会いは偶然ではなく、必然。

それぞれ、苦しい過去を持っていて、
暗くなりそうな設定ばかりなのに
この作品は重く沈む印象は与えません。

魔王の後継者候補の皇子をはじめ、
従者、出会った人々、ライバル皇子まで
キャラクターが作り込まれています。

美しいだけではなく個性的。
非情な敵だけど魅力的。
様々な角度から人となりを知らされる。
この作品にモブキャラはいないと思います。

暗いばかりではなく、
楽しいばかりではなく、
時に危機に陥り、謎を解き、
様々に色を変えながら進む物語です。
先の予想がつかないところに惹かれます。

皆さんも、ぜひ。

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