モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（257文字）

ある日異世界に召喚されてしまった主人公が、魔王討伐の旅を始めるお話です。

召喚された当初は魔王討伐をごねていた主人公でしたが、渋々とばかりに依頼を了承。彼は旅の前金とばかりに、一本の剣を手渡されます。

しかし、手渡された剣は前魔王が封じられていた呪いの剣とでも呼ぶべき品であり、魔王との交渉の末、なんとか協力を勝ち取ります。

一般人であった主人公は、当たり前のように剣を振るのもへっぴり腰。剣を使うのではなく剣に使われる形で、討伐に向かうのも魔王に引きずられる形で旅を続けます。

彼ら二人の目標は達成できるのか。ぜひ読んでみてください。

テンポがいいし、ピンチと無双のバランスがちょうどいいしとてもおもしろいです！

そしてなんと言っても元魔王のキャラがいいなと思いました！
話し方が尊大な割には意外と優しく（？）、元魔王とは思えないほどめっちゃいい師匠感あって個人的にすごく好みです！
なんなら主人公と二人で会話してるだけでもおもしろい！

いつか二人で現魔王をぶっ倒すときが今から楽しみです！

魔王様が封印された剣が強すぎて、持っている人がもうどんな人でも瞬殺しちゃうところが爽快でたまりません。

さらに、魔王がじいちゃんキャラなのもいいですね！
ちょっと年の功で押している感じがまた、他のとは違う感が出ていて面白いです。

軽妙で読みやすい文章でつづられる、ライト・ファンタジー。

特に出色なのが、主人公と行動を共にする元魔王ソフィアのキャラ造形。
脳筋で、俗っぽく、それでいてどこか面倒見のよい乾湿の性格は好感が持てる。
今後、主人公との関係性がどのように変化していくか楽しみ。

肩の力を抜いて楽しめるファンタジーを探しているなら、お勧めの一作。