解は得られた!

成程、成程

発言内容に些かの疑念を抱いて、また先生お得意の謙遜であるかと思っていたが、文章を読んで、そのうえで先生の発言を見返してみる。

答えはこのようなところにあったのかと、眼から鱗が落ちるようである。
先生の文章は、読書家や本好きの人間を引き付ける魔力を持っている。
一行目を眺め、気が付けばアリジゴクにはまった蟻のように、最終行までズルズルと引きずり込まれている。
文章に文字列に親和性が高いものがこの文章を見れば、街中で美麗なる女子を見つけたナンパ男のように引き寄せられて、離れられなくなることは請け合いである。

だが……この文章は人を選ぶのだとわかる。
もちろん言い回しが多少古臭さや、文学臭さをまとっているのも事実。
内容が極めてシビアであり、また人というものを深く穿っているのも事実。
使われている漢字が人によっては見慣れぬものであろう。

つまり好きな人には思いっきり訴求するが、そうでないものには敬遠されかねない。完成度と格式が高い反面、間口が狭く、例えるなら一見さんお断りの料亭のような、そんな作品であったと思う。

しかし私はこの文章をとても良いものだと感じた。
例えるならば何の変哲もない夜空に、輝く北極星のごとく、確かに確実にそして燦然と輝き、見るものを引き付ける魔力を有すると。