薄明

夕焼け。
茜色から、あたりは夜のトバリに包まれる。
カーテンを、ひかなきゃね。

……その時、淋しいのです。
主婦は。

時間が過ぎ、夜がきて、夕食の支度をし、夕食、後片付け───。一日が終わる。その気配を感じるからです。

子持ちの主婦の方は、切々と、この情景が身に染みると思うなあ。

───あのね、幸せなんだよ？
───でもね、淋しいの。主婦は。

でもけっして、暗い話ではなく、押し付けがましい事はなく、さらりと読める、美しいショートです。

オススメですよ！
ぜひ、ご一読を！

素晴らしい作品に出会った気がしました。
美しい文章、美しい構成、そして美しい余韻。
文章の美しさにも心を惹かれましたが、構成の美しさに持っていかれた感じです。
『幻』で綴られるところから美しく結ばれる余韻……
小説は読者の心に何を残すかが大切だと思います。
そして、この作品は余韻が美しい。

玄関を、振り向いてしまった。
うしなったものが、もしかしてそこに、戻っているのではないかと思って。

わたしにはないもの。
わたしが、うしなったもの。
主人公さまが、うしない、そうして、得たもの。

花が咲いて。
空が、青くて。

時間のゆらぎと翳りの向こうで、なつかしいそのひとは。

窓辺にいけた切花の、茶色く変色した、その辺縁。

うしなったもの。
うしなうことが、許されなかったもの。

とっても切ない話・・・寂しいくて・・・感情移入してしまう。
僕が行って幸せを分けてあげたいって思う。

過去の思い出に幸せ感じて涙した・・・そうだね、自分自身今ある幸せを
ありがたいと思わなきゃ、改めてそう感じました。
ありがとう。
ぜひ読んで、しまこちゃんの奏でる情緒に浸ってみてください。

僕は自分が少し涙もろいのかと、カクヨムに来て考える様になった。それだけここには僕の琴線にふれる物語がとても多い。そして今朝もいきなりだ。もうね、筆者様の技量もさる事ながら、そのお持ちになられている稀有な感覚がこういう世界を紡ぐと、胸が締め付けられてどうしょうもなくなるのは仕方のない事です。

僕は大絶賛して、この物語を皆様に読んでもらいたいです。

こういう感覚をお持ちである事は、多くの方にも共通する事です。でも、その感覚を筆者様が紡がれると、とても暖かくて、優しくて、失い難くて、じーんとして、泣きそうになって、もう、ぶわっ来て、ううって来て、ああってなって、たまらなくなります（わかりにくい…続きを読む