卓越した風韻。情景と情感の交差に、心が震えます。

ほんとうに驚きました。
必要最小限の道具立てで作られた精緻な物語です。

並んだ語の拍子も整い、流々と情景が重なり物語は進みます。

彩色影絵のような場面が思い浮かぶなかで、姫と狩人の相手を気遣う姿が立ち現れるのですから、もはや感動は不可避。

本作は3059文字で編まれたとは信じ難いウェルメイドなおとぎ話なのです。