私がどこかに置いてきたような感傷に満ちている。

『僕』の目線で語られる女性たちは皆、どこかアンニュイで、艶めかしく、鬱々としていて、不幸な自分に浸りながら心地良さを感じている気がします。そんな女性たちに触れて、離れて、を繰り返す『僕』のお話。

豊富な知識を元に各所に配置された先人たちの言葉や逸話が、この感傷に満ちた物語に小気味よいテンポを生み出しています(実は全てフィクションだということですが、実にそれらしく書かれていて違和感がありません! この辺りもぜひ楽しんでいただきたいです)。
関わる女性たちをどこか冷めた目で見つめる『僕』の世界を、更に外側から眺めてみませんか。

気付けば二周目に突入していたお話です。
お薦めします(^^)!

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