女という生き物を知りたい方へ――愛と性と孤独を描く文学的掌編

現在ヨーロッパに暮らす28歳の主人公が青春時代を回想する物語です。
ベッドを共にした様々な女たちのポートレートが切り取られますが、
やがてひとりの女性に焦点が当たって行きます。

主人公は彼女の中に、自分の片割れを見ていたのでしょう。
危うい彼女こそ、思いのままに生きた自分だと感じていたのかも知れません。

ですが二人は今、遠く離れた土地で、まったく違う人生を送っている――
しかも、ここが面白いところなんですが、
あんなに危なっかしかった彼女、今じゃすっかり落ち着いてるんですよ。

ここにリアルを感じます。
分かる。女性ってなんである日いきなり大人になってるんだ?
憑き物が落ちたようにマトモになっていく彼女たちに置いて行かれる男――
こういう経験に共感する人は多いのではないでしょうか?

これを書いているレビュアーは経験不足なので、
「ほほーう、女性とはそういう生き物なのか!」と感心しながら読んでおりました。

きっと経験豊富な人は共感し、私のように経験不足な人間にとっては興味深い掌編です。
筆致は丁寧で文学的なので、赤裸々な描写でも読みやすいですよ!

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