死神と契約を結んだ主人公睦月が、死神の世界に巻き込まれながら成長していく物語。特に霜月との関係が物語の中心で、彼の無邪気で純粋な愛情表現が、睦月の心に変化をもたらします。二人の微妙なロマンティックなやり取りは、物語に温かみと切なさを加え、読者を引き込みます。
また美火やミントといった死神たちのコミカルなやり取りが、シリアスな展開に軽やかさをもたらしています。特に霜月と常闇のユーモア溢れる掛け合いが、物語にリズムを与え、緊張感を和らげます。こうしたコメディの要素が、物語の重さを程よく中和し、読みやすくしています。
バトル要素もあり、死神たちがそれぞれの能力を駆使して戦う場面は緊張感と迫力があります。戦闘シーンはキャラクターたちの成長や感情の変化が絡む重要な場面でもあります。睦月と霜月が戦いの中でどのように絆を深め、乗り越えていくのかも見どころです。
死神というテーマを扱い、キャラクターたちの成長や心温まる瞬間を描き、コメディ・ロマンス・バトルの要素が絶妙に絡み合う本作。シリアスとユーモア、そして迫力ある戦闘が融合し、感動と緊張感を同時に楽しめる作品です。
1章~3章でちょうど章区切りが良いところなので、レビューという形でお勧めさせていただこうかなと思います。
世界観としては独特で、いわゆるWEB受けの作品ではないですが、空気感としては小野不由美さんや多崎礼さんなどのファンタジーが好きな方は特に好みに合うのではないかと。勿論、それ以外の方にもお勧めです。
組み上げられた世界観の中で様々な魅力的なキャラが生き生きと動いていて、文章としてもとても読みやすいと思いますので、未読で迷ってレビューを開いた方は是非このまま一話から読んでみてください。
ちなみに僕は上司と閻魔推しです。はい。
非日常的な出来事から始まり、一気に物語世界に引き込む力がありました。
主人公の神楽睦月は、不思議な状況に置かれながらも冷静に対応しようとする一方で、内心では混乱や戸惑いを感じており、リアリティのある人物像が印象的です。
死神の少年と上司の描き分けも興味深い点でした。対照的な二人が睦月にどう関わっていくのか今後の展開が気になります。
世界観の設定も魅力的で、死神になるには独特のルールがあり、ファンタジックな描写もあって死神の世界への期待が高まりました。
死神との契約という設定を軸に、個性的なキャラクターたちが織り成す物語として興味をそそるものでした。睦月が死神としての役割をどう果たし、周囲とどんな関係を築いていくのか、先の展開を楽しみにさせてくれます。
家族とも言うべき愛猫を不幸にも喪い、虚無に苛まれた日々を過ごしていた主人公"睦月"。
そんな彼女の前に現れたのは、喪服にもスーツにも見える黒装束を纏った見るからに胡散臭そうな男。彼は魂の水先案内人──死神だった。
愛猫を喪ったあの日から止まっていた時が、再び動き出す──
事実上、拒否権はなし。半ば強引に、男によって新人の死神のパートナーにされた睦月の視点で紡がれる、幻想的で何処か儚さを感じさせる生と死の物語。
個性豊かな死神たちとの出逢いが、睦月にもたらすものは一体──
そして、何故まだ生者であるはずの睦月は、死神のパートナーに選出されたのか──
是非とも、ご一読頂きたい傑作。