奇々怪々。されど遥か彼方の友情を

この物語をなぞった方は、ある友情を目にすることになります。

あなたは自分自身を知っていますか?
ここで前世のことは? と聞かれると何を言っているんだと返すのが常識です。
しかし不思議なことに、この「踊れば楽し。」はそれを問うのが当たり前。

作中では主人公「高瀬宗一郎」が、会う者たちみんなから言われていきます。

「紅牙」「紅牙ァ!」「紅牙!」
……口々に知らない名前を告げるのは、異界の住人──妖たち。

いったい誰のことを言っているんだ、そんな奴は知らない。
そう思っているのに引っかかりを覚える主人公は、突然妖たちに襲われた際に助けてくれた天狗の青年、彼方と共に前世の自分を知っていきます。

友達に記憶を取り戻してほしい彼方と、人間でありたい宗一郎。
そんな二人が築く友情、続けざまに現れる様々な妖たち。

奇想天外。紅牙を思い出していく宗一郎は、果たしてどちらに傾くのか。

豊富な妖怪たちの出番に、彼らに振り回されていく少年。
どんな姿になろうとも繋ぐ友情を描いた、和風ファンタジー!
「踊れば楽し。」を、みなさま一読あれ!

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