囚われの小鳥は、広い世界と愛を知る。

 主人公・オトは、人の生命力を奪う夢喰(むし)、という黒い蝶を払うことが出来る、羽耳を持つセレニティの雛鳥の内の一人。しかし片羽しかなく、トラウマによって歌うことが出来ないオトは、周囲から冷遇されていた──。
 だが、青年・ノアとある時偶然出会ったことにより、彼女の世界は大きく変わっていく。

 というのがあらすじになります!


 この作品の魅力は何と言っても、冷遇パートと溺愛パートのメリハリ。塩梅の良さです。最初はとことん、ささやかな幸せを享受しつつも、辛いシーンが続きましたが……。
 ノアに鳥籠から連れ出されてからは、(試練はありつつも)甘~いシーンが続きます! 読んでいて、思わず画面の前でニヤニヤしてしまいました笑
 ノアからオトちゃんへのこの溺愛っぷり、いいぞもっとやれと、画面の前で思わずヤジを出してしまいます。最下層を走っている自己肯定感がそれを受け止められませんが……!!
 オトちゃんからノアに対する対応の変化も、ぜひ見てほしいです。

 そして魅力のもう1つは、作者様の素敵な地の文で描かれる鮮やかな世界!
 もう、とにかく、作者様のこの地の文、すごい。古典的でしゃれた感じがありますし、和洋折衷ファンタジー、と銘打っているだけあり、世界観と文体がとてもマッチしています。この地の文を吸いに来ました()


 ノアと出会い、片羽のオトちゃんは一体何を見て、何を知り、どう変わっていくのか。彼女の変化を、ぜひ見届けて下さい!

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