カクヨムコンのデータが開示されました。

11月14日。

公式のお知らせで「カクヨムコンの読者選考の攻略法を大公開」という記事が掲載されましたね。


カクヨムコンに関する詳しいデータを所持しているカクヨムの運営さんからのデータの開示ということで、とても興味深い記事でした。

個人的にこういう数字を見るのは大好物ですので、こういうデータはもっともっと公開して欲しいです。

しっかり活用させて頂いて、カクヨムコンを少しでも有利に戦い抜きましょう。


ただ……カクヨムコン8は今まで応募総数10,163作品。 読者選考通過作、1,651作品と発表されていたはずなのですが、今回公開されたデータは応募総数10,158作品で通過作1,246作品となっています。


総数の方はまあ誤差の範囲なのですが(5作くらいなら作者自ら応募をとりやめにしたり、垢バンで消えちゃったりとかありそうですし)、通過数がびっくりするくらいまるで数字が違うんですが、どういうことなんでしょうかこれ?

読者選考フリーパスのプロ作家部門があるせいかとも思ったのですが……どうなんでしょう?

でもそれなら、総数の方も減らすべきであるような。


もしかして当初通過とされた作品を、最終選考に行く前にもう一度精査した結果、なんらかの事情で内部的に落選させた――とかでしょうか?

例えば規約に引っかるくらいエロいシーンがあったとか、わざとだとしか思えないくらいのカテゴリエラーであったとか。


まあいろいろ疑問はありますが……とりあえずそれらは置いておいて見ていきたいと思います。


一つ目は公開時期に関して。

読者選考は事前の評価がカウントされませんので、早く出しすぎると不利になるのは予想できることです。

むしろ、それでも半数近くはずっと前から公開しているものが通っているんだ……という逆サプライズ感がありました。

相当に長く読まれ続けていて、未だに評価を積み重ね続けている作品ということでしょうね。


細かく見てみますと、11~1月に公開した作品が読者選考の56%を占める――という指標が提供されています。

グラフを見る限り、11月(200超)と1月(100足らず)を足しても12月(400足らず)の数値に届いていないように見えますので、11~1月の中でもやはりとくに12月中の投稿が無難であると言えそうです。

が、見方次第では違う考え方も出来ます。


グラフを見て感じたのは、11月に投稿した作品の健闘ぶりでしょうか?

投稿数のグラフを見ると本命の12月に投稿した作品の半分に達していないと思われますが、逆に通過した数は12月投稿の半分を越えているように見えます。

つまり、通過率を割合で出しますと、12月の投稿作品を11月の投稿作品が上回っていると考えられます。

受付開始少し前に出しておいて評価を高めておくという戦略が非常に有効であるということの証左にはなっているかと思います。


ただし、一概に12月に投稿したとは言っても1日に投稿したのと31日に投稿したのではまるで意味合いが変わってきます。

そこら編の細かい事情が、このグラフからは読み取れません。

そして、11月中にもらった評価はカウントされないという大きなデメリットがあることだけは忘れないようにしないといけません。


そして、投稿時期に関して一番気になるのはやはり、投稿時期に関してとられる三つの主な戦略。


応募受付開始少し前に投稿して評価を高めておく。

応募受付と同時に投稿する。

応募開始から少しだけ後にしてスタミナ切れを回避する。


どれがもっとも成功率が高いのか、ですが。

これに関しては正解はないので、自分の作品にあった応募方法を選びましょうとのこと。

少し残念ですが、まあ仕方ないですね。その通りだとも思いますし。


次は更新回数ですね。

これもかなりありがたいデータだったと同時に、少し困ったこともあります。


まず、通過作の約80%が1回以上更新。これはまあそうだろうな、と思います。あまり驚きはありません。

通過作品のグラフを見ると、30回以上更新している作品で過半数が占められている。

そして50回以上更新が通過作の30%。

更新回数が多いほど、明らかに通過率が高まっています。

カクヨムが長距離走であると言われていたものがしっかりとデータにも出ている気がします。


カクヨムではタイトルとキャッチコピーが重要だとよく言われますが、これはトップページに作品が載った時に見えているから、というのが大きいです。

この時、この二つ以外に見えている情報は★の数と話数。

ですから、★の数は非常に大きなアピールになります。言わずもがな、大切です。


これらの中で、何より難しいのが話数です。当然ながら、読み手が『ほどよい長さであると感じるであろう数字』が良い数字となるわけですが……それの見極めが難しい上に、更新すればどんどん変わっていってしまう数字なので戦略に組み込むのが難しい。


話数が多いほうが有利なのか少ないほうが有利なのかという話題はよく上がります。

これはカクヨムは長距離走だと言われる一方で、カクヨムのシステムの特性として、最新話まで読まないと評価するページが出て来ないというのがあったりもします。

このことから、話数を増やせば増やすほど★がどんどん遠のいていくのではないか? という恐れを抱く人もまた多いようです。


評価が低いうちにあまり話数や文字数を重ねすぎると、どんどん評価がされづらくなっていく――という感じの話をされている方はちらほら見かけます。


話数が少ないうちにある程度の評価を得ておきたいので、最初はあまり頻繁に更新しない(例えばどんどん★が増えているうちは更新回数を減らし、あまりつかなくなって来たら更新頻度を上げるというような調整をする方がおられます)という人もいれば、やはり頻繁に更新することがアピールに繋がるという人がいたりもします。


今回のデータを見る限り、少なくともカクヨムコンでは、はっきりと更新回数が多いほど有利、という結果になっているように思えます。

カクヨムコンでは10万文字を越えそうにない作品に評価をつけたくない。それどころか、そもそも越えそうにないものは読みすらしないという方などが一定数おられることも影響している可能性があります。


理由はともあれ、ストックが多数ある方はガンガン更新していっても大丈夫そうな雰囲気はあります。

このデータを見れたのは非常にありがたかったのではないでしょうか?


個人的には、この「更新回数」の意味するところがよく分からず少し困ってもしまいました。

なぜ2回更新というものが無いのか?(たまたま2回更新した作品が一つもなかっただけ?) から始まり、予約投稿を使って数話を一挙に更新した場合、数回更新したと判定しているのか、一回だけ更新したと判定しているのかどっちなのかが分からないだとか――普通に見るなら、1回更新の投稿数の少なさから見ても、その場合は数回更新したと判定しているのだと思われますが……。


続いて、タグのお話。

設定されたタグのランキングを公開してくれています。

これでも十分参考になりますし、役に立つのでありがたいのですが、出来れば検索回数のランキングが欲しかった気はしますね。

よく設定されていても、実はあまり検索に使われていない――なんて可能性はあるでしょうから。


でもまあ、それほどのズレは生じていないからこそのランキング開示だとも考えられます。

ランキング入りしているワードで自分の作品に使えるタグがあれば設定しておくと良いかも知れません。


最後に特別審査員の解説がありました。

これはとてもありがたい取り組みであるように思えますが、現状ではこちらから何かアピールするというようなことは出来なさそうです。


強いて言うならば。

その目的からして★の数は考慮せずに読む作品は決めてくれそうですが、さすがに全作品全て読んでいるとは思えないので、やはりキャッチコピーやタイトルなどで特別審査員の目を引くのが大事かもしれない、というところでしょうか。

これは普通の読者選考でも最重要な部分ですので、特別審査員賞対策とは言い難いですが。


12月1日、応募受付開始になれば特別審査員も発表されるということです。

もしかしたら、こういう作品が読みたいというようなコメントなども載ったりするのかも知れません。

そうでなくとも審査員が誰か分かれば、自分が応募している部門を担当する審査員に有効そうなアピールを、タグや紹介文などで出来るようになる可能性はあります。

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