カクヨムコンの狙い目と言えるジャンル。

このカクヨマニアはジャンル不問ということで書いていますが、一応各ジャンルについての説明もしておこうと思います。

去年のカクヨムコンにおけるジャンル別の読者選考通過率と受賞率(大賞と特別賞)を順位付けしてみますとこのようになります。


読者選考通過率

1位 ホラー

2位 ライト文芸

3位 ラブコメ

4位 エンタメ総合

5位 恋愛

6位 現代ファンタジー

7位 異世界ファンタジー


受賞率

1位 ラブコメ

2位 ホラー

3位 恋愛

4位 ライト文芸

5位 異世界ファンタジー

6位 現代ファンタジー

7位 エンタメ総合


明白にホラーと恋愛系が優位となる結果です。そしてファンタジーが少し厳しい。

これはあくまで受賞確率のみの話であり、ファンタジーは不動の人気ジャンルですので読み手も多く、書き手もまた多い。つまりライバルが多い。

翻って、もし受賞して書籍化出来れば比較的セールスが望める分野でしょうから、ファンタジーに挑むのは全く悪い選択肢ではありません。あしからず。


好きなジャンルを書くのが一番ですし、筆ものるかと思われます。

それを踏まえた上で、複数のジャンルを書ける方の狙い目のジャンルは? となるとホラーと恋愛系ということになるかと思われます。


映像部門の説明文から見てもホラー要素と恋愛要素が強い作品を欲していると思われ、その二つのジャンルを書けると強い武器になりうる可能性がある、という結果が見て取れるかと思われます。


非恋愛を主題とする作品を集めている現代ファンタジー部門が受賞率において非常に低い位置に来てしまっていることからもその傾向は伺えます。

現代ファンタジー部門は投稿数の割に受賞作があまり多くないのが特徴となってしまっています。


そもそも論として、現代ファンタジー部門は参加編集部の数自体が全部門の中でもっとも少ないので、それも受賞率の低さに繋がっている可能性があります。

近年ヒット作が生まれづらくなっているジャンルだと認識している編集部が多いという可能性はありますが、専門の部門を作っている所を見ると、参加している編集部に関して言えば、今なお重要ジャンルの一つであるとの認識をしているということなのでしょう。


異世界ファンタジー部門は投稿数が最多であるため、読者選考通過率が極めて厳しいのですが、作品自体は強く求められているようで、受賞数もまた最多です。

ですので、受賞率という点では現代ファンタジー部門よりは幾分ましな結果となります。

ちなみに、異世界ファンタジーは現代ファンタジーの1.5倍の数の編集部が参加しています。


ファンタジー書きの方は読者選考通過率と受賞率どちらを重視するかで狙い目が変わって来るかも知れません。

別に受賞を狙っているわけではない方。

もしくは真逆で、読者選考を突破して編集さんの目に入りさえすれば評価される自信があるという方や、特別賞に興味はなく、大賞一本狙いだという方も現代でしょうか。


すでにカクヨムで多数のファンを抱えており、読者選考突破の自信があるという方は、参加している編集部が多く、特別賞が多く出ている異世界の方が受賞率が高くなる傾向があります。


恋愛部門とライト文芸部門は女性向けと銘打っています。

カクヨムは他の投稿サイトより男性比率が多いようですが、それでも近年伸びてきているジャンルのようで、ライト文芸は昨年肝いりで新設された部門ですし、恋愛部門も今年の募集要項の説明文を書き直すなど力を入れはじめているイメージがあります。


カクヨムコン以外の女性向けをうたった中規模コンテストも盛んに行われているイメージがありますし、なろうでは今、異世界恋愛が非常に強くWEB小説の一大潮流となりつつあるジャンルでもあります。

角川さんとしても『わたしの幸せな結婚』などがヒットしたので力を入れて来ているイメージがあります。


ラブコメはとにかく伝統的にカクヨムコンで強いジャンルです。いろんな方がカクヨムコンの分析をされていますが、有利なジャンルは? と聞かれると揃って皆さんラブコメ! と答えておられるような状態です。

投稿数に対する受賞数が多いのです。需要と供給の問題で、大きな需要に対して供給が間に合っていないといえるジャンルなのでしょうね。


ホラーもまた狙い目といえるジャンルで、読者選考通過率が頭一つ抜けて高く、投稿数が少ない割に受賞作もしっかりと出ているため、受賞率も高くなっています。

『近畿地方のある場所について』という、ホラージャンルからのヒット作も生まれましたのでさらに力を入れてくるのではないしょうか?


エンタメ総合部門は投稿数が異世界ファンタジーについで2位と多いのに、読者選考通過率は決して悪くありません。

一方で受賞作はもっとも少なく、投稿数の多さもあって受賞率が一つだけ飛び抜けて悪い数字となっています。

比較的ニッチなジャンル(悪い意味ではなく)が集まっているため熱心な読者もついていて読者選考までは通るが、編集部は少し及び腰になっている……ということかと思われます。


何を求められているのか見えづらい部分が多いのも、書き手側から見ると難しい部分があるかも知れません。


その中で受賞したのはVRMMOものとタイムリープもの(登録は現代ドラマとなっています)で、比較的SF要素がある作品が評価されやすいと言えるかと思います。

さらに言えば、SFにはハードなものやソフトなものがありますが、比較的ファンタジー色の強いソフトなSFが受賞しやすいと言えるかも知れません。


エンタメ総合部門は多種多様なジャンルが参加しているため分かりづらいのですが、もしSF部門というのがあったと仮定した場合、SFはそこそこの読者選考通過率と、ファンタジーと遜色ない受賞率を両立できていた可能性は残ります。

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