美しき白亜の城塞──だがトイレである

不慮の事故により、異世界へ転生した主人公。

そこは中世ヨーロッパを彷彿とさせる、この世の地獄の如き、実に不衛生で汚い(褒め言葉)世界だった。

そんな場所に放り出された主人公、女神様から彼に与えられたのは、一点の汚れも穢れもない美しき白亜の城塞──つまるところ、元いた世界で普及している水洗トイレであった。

画面の中より匂い立つ、昔の衛生事情──要所要所に挟まれる豆知識も役に立つが、何だかモワモワと画面越しに匂ってくる怪異。

シリアスな世界のはずなのに、何故だか笑いが込み上げてくるのが、本作最大の魅力──シリ(尻)アス(ass)だけに。

"百聞は一見に如かず"という言葉をここまで体現した物語には、滅多にお目にかかれないかもしれない。消臭スプレー片手に是非、ご一読を。

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