【詐欺!?ホント!?】連載決まったらしいけど、結果発表ページに私の作品が無かった件について

西見治舮

【詐欺!?ホント!?】連載決まったらしいけど、結果発表ページに私の作品が無かった件について

●詐欺!?インシデント!?


西見治舮(にしみじろー)は背筋が凍った。

必ず、この危険極まりないインシデントを関係会社に連絡しなければならないと、決意してiPhoneをシェイクした。

西見は相手会社の体制が分からぬ。西見は他のIT企業に務めるしがない会社員である。

アプリケーションやWebサービスを開発し、合間に趣味の小説を執筆してノンビリ暮らしてきた。

けれども情報漏洩のインシデントに対しては、人一倍に敏感であった。


ことの発端は仕事の休憩中に来たメールだった。


「ピッコマノベルズ大賞1次審査通過のご連絡(要返信)」


新手の詐欺だな。

メールの件名を見て確信した。

削除、削除とスワイプしようとする指の動きは早かった。内容も確認してなかった。


なぜか?


ピッコマノベルズ大賞なんて応募した覚えが無かったから?


NO


ピッコマでノベルズ大賞の広告を見て

「一次審査通過で連載決定?大賞は一千万かぁ……宝くじよりは確率高いし、やってみるか〜」

ぐらいの気持ちで応募はしていた。

しかし、現実は非情である。


一次審査通過作品の発表ページに、西見の作品名は無かったのだ。


だから、このメールは嘘っぱちである。そう西見は確信した。

まったく最近のスパムは、ワナビーの古傷をえぐりおってからに……オオアリクイに主人が食われましたぐらい面白系にしてくれんかの?などとインターネット老人会めいた考えを浮かべた後で、はたと西見は気づいた。


「何で迷惑メールの相手が、応募した事を知ってるんだ?」


ランダムに送ってたとして、このタイトルが「オオアリクイに主人が食われた」以上に、人々を魅了して止まないとは、思えない。

逆に応募してる作者を狙い撃ちしてやってるとしたら、情報漏洩のインシデントの可能性があるのでは?


その時、西見の脳裏に、過去の漏洩やらかしかけた記憶が蘇る!(注:上司のチェックで未然に防がれ、怒られるだけで済みました)

西見は背筋が凍った。

そして冒頭の行動である。


●ゴミ箱から拾い上げたラッキーと疑心暗鬼


大問題になる前に、ちゃんとピッコマさんに連絡しないと。

そんなわけで冒頭に戻り、ゴミ箱から受信箱に戻したメールの内容を確認したところ、要約するとこうであった。


「大変すみません(丁寧に繰り返し)審査集計用のデータに破損があって、本来一次審査通過してたのに通過してない扱いになってました。連載を前提に、一度会って相談させてくれませんか?」


この時点では、西見の心は二つに割れて、半信半疑ならぬ三信七疑だった。


趣味人、文字書きとしての西見は疑い、困惑していた。

「そんな事ある?落選したと思って、もう別のテーマの公募用作品書き始めてたし、前回応募した作品の内容、忘れかけてるんだが……」


会社員としての西見は、物凄く同情してた。

「ワァ……!初めての試みだとフローが出来てなくて、信じられない事故が起きるよね(蘇る数々の自分の失敗)何言われるか分かんないのに、ちゃんと謝れて報告できて偉い!」


よくよく見れば、送られてきたメールのドメインはカカオピッコマのものに間違いない。

(公式のお問い合わせメールアドレスと同一か確認した)


メールをくれた担当編集が嘘をついてなければ、インシデントでは無さそう……?


まだ狐に化かされたみたいな疑心は残るが、とりあえず話しは聞いてみるか。

まぁ騙されたとして、それはそれ、オモシロ経験として酒の席の笑い話、カクヨムやnoteとかTwitterで共有すれば良いだろう。


そんな気持ちで、担当編集と話しをする約束を取りつけた。


●連載決定したのに信じきれない!悪役令嬢とは!?


結果から言うと、メールの文面通りであった。

担当編集は平謝りで、真面目に連載の意思があればお願いしたい、とアナウンスをされた。

ここまでで、一切何かの請求はナシである。


西見は、ようやく三信七疑から半信半疑になった。


いや、もうこれがワナビーからお金を巻き上げるタイプの出版詐欺とかではないのは理解してた。

担当編集の連載に向ける熱意は疑ってなかった。

残りの疑いは「本当に集計漏れか……?」である。


西見には自覚があった。

今回連載が決まったテーマ「悪役令嬢」に関してはマジの門外漢であることを。

西見は、これまで趣味で多くの作品を小説投稿サイトに書いてきた。

それらをジャンルで大まかにくくると「暴力・セクシー・時々LOVE」であった。

SFやファンタジー、現代モノ、どれにおいてもそんな感じの話を書いてた。

(ゆえに、ピッコマ読者に趣味時代の作品で先入観を持ってもらいたくなくて、ペンネームも変えた)

(でも絶対秘匿!というわけではないので文体で「君の名は」と気づいた方は、それはそれで楽しんで欲しい、そして趣味の作品の更新が遅れても察して許して欲しい)


それゆえ、最初に思ったのはこうだった

「悪役令嬢とは……?女の子の主人公、書くの久しぶりすぎて何もわからない!」

そんな初歩の初歩から始まり、悪役令嬢ものを数十作品読み込んで研究して

「広い……!範囲が広い……!世界を救ったりループしたり恋愛したり農業したり色々ありすぎる!主人公も本当に悪い子から、実は良い子まで幅広すぎる!」

と混乱困惑の上で、大の字になってしまった。


「ダメだ、このジャンルに慣れてるだろう他の応募者に、同じ型で勝てる気がしない。もういっその事、逆張りだ!審査員の皆様方はこれから悪役令嬢モノを大量に読む筈だから、通常の悪役令嬢では起きない要素をかき集めて書こう!物珍しさで勝負!」


そんな感じの開き直りで書いた作品であった。


書いてる時はノリノリだったが、応募し終えて冷静になって振り返ると「悪役令嬢モノ」が読みたかったであろう審査員にとって、良かったのか疑問が残った。


西見は思った。

(もしかして、私の作品は……補欠ベンチ的なアレ?イロモノ枠?他の正当な悪役令嬢モノを引き立たせる的なアレで入れられたんじゃないか?)

そんな悪いネガティブ思考に入って、疑いの眼差しを担当編集に向けていた。


更に言うなら、自分自身も疑っていた。

一次審査通過作品の発表ページにいずれ訂正文を載せるとは言われたものの、いつかはハッキリしていなかった。

そのため、発表ページには何も記載がなく

(私は、気が狂って自分が連載決定したと思い込んだだけのワナビーなのではないか?)

という疑いを拭いきれなかった。

正気度をテストするために、何度も友人や同僚に相談しようとしては

(いや……!連載が発表されるまで、情報漏洩禁止……!それこそインシデントだろうが……!)

と悶々としながら過ごす日々を送っていた。


●ボーナスチャンス!好きな表紙を描いて貰えます!


とはいえ、ゲンキンなもので担当編集に

「西見さんの好きなイラストレーターさんで表紙はお願いできますよ。もちろん、お相手の都合が合えばですが」

と言われた瞬間「えぇ!?良いんですかぁ!?」と声を弾ませウッキウキで、好きなイラストレーターさんの一覧をお渡ししてしまった。


そしてカズアキ先生に表紙を描いて貰える事となったのである。


推しイラストレーターに表紙絵を描いて貰えるなんて、そうそう無いので嬉しさで飛び上がった!

もう、これだけで充分テンションは上がりまくって、表紙が送られてきた時は家の中でアレクサに「SEPTEMBER」をかけさせて、歌いながら小躍りしてた。


もしこれが私の狂気が成す妄想の産物だったら、私の妄想は現実を凌駕した凄まじい完成度という事になる。

ここまで練り上げられるなら、もはや妄想でも良い!のでネガティブに考えるのをやめた。半疑を打ち捨てたのである。

とにかく、文字書きにとって自作のイラストって、それくらい嬉しいものなのだ。


だが嬉しい事は重なるもので、表紙が仕上がったタイミングで担当編集から追撃が来たのだ。


●審査員からの贈り物


「集計漏れしてた審査員のデータがまとまったので送りますね。執筆の参考にしてください」


西見は、それを聞いて「Amaz◯nレビュー的なアレ?星とかついてるのかなぁ〜5段階評価で3以下とかだったらやだなぁ」と戦々恐々しながら、渡されたPDFファイルを開いた。


そこには「良いところ」「悪いところ」別に、ちゃんとした感想コメントが何ページにも渡って、数えきれないほど並んでたのである。


西見は「ひぃッ」とPCの前で悲鳴を上げた。

そのまま、速攻で貰ったPDFのデータをプリンタに送り、紙で3部印刷した。

執筆中に読む用、寝る前にベッドで読む用、永久保存用、である。

嬉しすぎて、舐め回すように読み込んだ。

何度か読みながら、たまらず飛び上がって兎のように跳ねてしまった。


小説投稿サイトに小説を投稿している同志なら分かってくれると思うが……

オリジナルの小説を投稿して、たくさんの熱い感想、しかも分析的に「良いところ」「悪いところ」を貰える事ってそんなに無いのだ。

いや、分からん、凄く人気の作家さんはあるかもしれない。

もしくは作家同士で交流が得意な人は、知り合い仲間から貰えるのかもしれない。

だが、西見は、そのどちらでもないので、初めての経験だった。


アドレナリンがドバドバ出てヤバかった。

突然、精神的無敵モードに入って、自分が映画の中のジェイソン・ステイサムになったような気分だった。

こんな全能感、初めて小説投稿サイトでランキングに入って、一人の熱心な読者に長文の感想を頂いた時以来である。

もう二度と感じられないと思った感動、再びである。

テンションがおかしくなりすぎて、仕事終わりにケーキ屋に飛び込んで

「とにかく、おめでとうってプレートをつけてケーキください」

と無茶な注文をしてしまうぐらいだった。


そして自宅でケーキを食べながら、ようやく西見は思った。

「本当に集計ミスだったんだ……!」


感想をくれた審査員の数だけ、本気で評価されて、続きを待って頂けてるという証拠が突きつけられたのだ。

ようやく猜疑心の強い西見は、全幅信頼に切り替わる事ができた。

ついでにピッコマのお知らせでちゃんと「集計ミスでした」が出て、正式に一次審査通過ページに自分の作品が掲載された。


そんな西見の心が全幅信頼に切り替わった所で、こう思った。

「期待に応えなければ……!」


●真心込めて作りました


正直、投稿してから発表までかなり間が空いていたし、落選したと思っていた作品だった。

なので、連載の連絡を嬉しさもありつつ、一度折れたモチベーションを立て直すのに苦戦していたのだ。


しかし、審査員の方々の熱い感想「続きが気になる」「二人の関係が好き」「こうしたらもっと面白いと思う」という意見は、かなりの燃料になった。


私は燃え上がった。

以前書いて、放置していた設定やプロットを見直し、審査員の評を取り入れながら詳細を煮詰めた。

最初に投稿した20話も大幅に修正改変を入れて、良いと言われた所は伸ばし、悪いと言われた点は可能な限り調整した。


そんな波乱と疑心暗鬼(ほぼ独り相撲)があった作品も、今日リリースされた。


●お願いします!!お願いします!!


それがコチラ!

「権謀の華〜ヤンデレ英雄に愛されすぎて悪役令嬢できない〜」

https://piccoma.com/web/product/145210


感動物語から突然青汁広告に切り替わるような、やり方ですまない……読んで欲しいんだ。

そしてできれば感想も欲しいんだ……!

作者にアドレナリン、ドパドパくれ!


毎週(月・木・土)に更新させていただくので、可能ならブックマークして読んでくれると嬉しい。

あと出来れば友達とかにも共有して欲しいし、Twitterもフォローして欲しい

https://twitter.com/JiroNishimi

Wave拍手とかでスタンプで良いから「読んだよ〜」が欲しい!(貪欲)


後これ、商業連載なので「人気が出ない場合は打ち切られる可能性もあります」と言われた。

まぁ連載料を貰ってる都合上、売れなきゃダメなのは仕方ないんだけどね!


いつでも、終わらせられるようにラストのプロットは切っているけれど

できる限り、書きたい所まで書かせていただきたい……!頼む!

無料分だけで良いので、悪くないなと思ったらお友達にもオススメしていただけると助かります!


ラスト、怒涛と感動の展開を頑張って用意しているので、可能な限り信じて見て頂きたい……!


何卒、末永くよろしくお願いします

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