あなや京都に迫るあやかし

平安時代初期。おそれと親しみをこめて「野狂」と呼ばれた男、小野篁の活躍を描く、かの「TAKAMURA」の続編。武人にして教養人である篁は、あやかしを見ることができ、冥府で閻魔大王の片腕を務めているとも噂される男だった……。
今回も巧みに史実を取り入れつつ、篁とあやかしの激闘を描く、平安伝奇アクション絵巻。小野篁ファン並びに平安時代愛好家なら見逃せない、あの事件を新解釈。日本史に必ず登場するあの人物も、意外な素顔を見せてくれる(かも)?
華麗にして豪快な剣戟、穏やかな中にもどこか物寂しい情趣、幽玄なあやかしの描写が、メリハリの利いた文章に美しく展開する。果たして、恐ろしい鬼やあやかしとの戦いの行方は――。篁という男、心の強さこそが、あやかしに立ち向かう、太刀にまさる武器なのかもしれない。

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