概要
先生が言った。「地面は球体で回転している」と
月が三つにお天道様一つ、霊山には空までのびる棒にそこから垂れ下がる巨大振り子。そういう世界での話。十四歳の少年フラートは私塾の授業で教わった、自分たちの住む地面が球体でしかも回転しているという内容に納得いかなかった。いやはや、どうしたものだろうか。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!精緻な自然への視点
この世界では月が三つあり、それぞれが決まった間隔で動いているという異世界の話のようです。この世界には物理学があり、科学者もいるようで、天動説ではなく地動説が選ばれています。また霊山にとても大きな振り子が存在しています。そこで学徒であるフラートがいま立っている星は教えられている通り、丸いのかを一生懸命理解しようとします。このようなあらすじを持つ本作はれっきとした科学小説のようです。
物理学の本質というものは、なかなか「いま・ここ」にいるだけでは理解しづらいもののようです。飛行機で南半球に行ったり、宇宙へ行ったりした人が突然すべてを理解した! と思うようなことだとどこかのエッセイで読んだ記…続きを読む