最終話:代々
され、田村家の家は荒れ果てていくばかりだった。誰もその家に近づかないため、草が生い茂り、窓ガラスは割れ、壁はぼろぼろになっていった。夜になると、その家から不気味な灯りが漏れ出し、遠くからでも奇妙な囁き声が聞こえるという話が広まった。
村人たちはその家を避け、通りすがりの者は速足で通り過ぎるようになった。誰もが恐れ、噂が広がるにつれて、田村家の存在は村の中で忌み嫌われるものとなっていった。
ある日、鳥居村に旅行者が訪れた。その旅行者は村の歴史と伝説に興味を持ち、田村家の呪われた話を聞いて興奮していた。彼は勇気を振り絞って田村家に近づき、草むらをかき分けて家に入ることに決めた。
家の中は薄暗く、ほこりっぽく、不気味な静寂が漂っていた。旅行者は緊張しながらも、奇妙な興奮を感じながら家を探索し始めた。廃墟と化した部屋を見て回り、屋根裏に辿り着いた時、彼は驚愕の事実に遭遇した。
屋根裏には、無数のお面が壁に張り付けられていた。それらのお面はどれも異様な形状や怖ろしい表情を持ち、その存在感はまるで生きているかのように感じられた。旅行者は驚きと恐怖の入り混じった心境でその光景を見つめ、何かが違うことに気づいた。
お面の中に、小さな子供の笑い声が聞こえてきたのだ。その笑い声はどこからともなく湧き上がり、旅行者の耳に響いた。彼はお面を見つめ、その笑い声がどんどん大きくなり、次第に怪しく歪んでいくのを感じた。
突然、お面の中から何かが飛び出してきた。それは太郎のような小さな子供の姿を持ち、赤い瞳が不気味に光っていた。旅行者は恐怖に打ち震え、その怪物の前に立ち尽くすしかなかった。
怪物はにやりと笑い、旅行者に近づいてきた。その笑顔は何とも形容しがたい恐ろしさを持ち、旅行者はすぐに逃げ出すことを決意した。しかし、足元には何かがからまっていて、動くことができなかった。
怪物は徐々に近づき、旅行者の前で止まった。その瞳がまるで魂を吸い取るように見え、旅行者は恐怖のあまり声を上げることもできなかった。そして、怪物はゆっくりと手を伸ばし、旅行者の顔にお面をかぶせようとした。
それが成功した瞬間、旅行者の意識は一瞬にして闇に包まれた。彼は何も感じず、何も考えることができないまま、田村家の呪いに捕らわれたのだ。
そして、その後、旅行者の姿はどこにも見当たらなくなった。田村家の呪いはますます広がり、その家は村の中で忌み嫌われる存在となった。鳥居村の住人たちは、この恐ろしい出来事から教訓を得て、決してお面を忘れずに飾るようになった。それでも、田村家の恐怖の話は代々語り継がれ、誰もが避けるべき場所として、その名前を口にすることさえ恐れるようになった。
忌まれたお面の呪い ― 田村家の末路 O.K @kenken1111
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