害意はどこから来て、どこへゆく?


 この物語はぶっ飛んでいる。
 まず、各話の並びに混乱するだろう。
 そして一話目を見て更に混乱する。有り体にいえば「冒頭から語り部が死にかけている」。
 上から順に読み進めることで、どうしてこのような顛末に至ったのかが判明する(と同時に救いのなさも明らかになる)。

 ぶっ飛んでいるのは構成だけではない。
 キャラクターの心理であったり、セリフ回しであったり、タグの「スリラー」の通り、各話ごとに状況は駆け足で進んでいく。

 この物語に登場する語り部は決して「めげない」。
 目的を達成する為に進んでいく。
 気付いたときには取り返しのつかない深みにはまっている……