言葉の足跡

夜を歩く二人が重ねていく言葉は足跡のようで、情景描写が抑えめであるにもかかわらず時間と空間が移ろいゆく様が読み取れます。
深夜散歩という行為そのものは現状を何ら打開し得ない問題の先送りなのですが、それを全てわかっている夜海が最初に手を引いた年長者としてケジメを付けるところに現実の重さを感じました。
千代と夜海の言葉からは、彼女らにそう言わせた現実の存在が見て取れ語られていないドラマを想起させるところはロードムービーに似たおもむきがあると思いました。

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