おじさんバレから始まるバ美肉ライフ~30歳、妹の代わりにVtuberやります~

カンザキアヤメ

美少女のじゃロリVtuber、初配信

 『Now Loading...』という文字が右下に浮かび上がり、消えていく。

 短いアニメーションが繰り返される画面が暗転。大きく『complete!!』と映し出された。


 画面は流れるように、ピンク色をベースにしたものへと移り変わる。よくある配信画面というものだ。


 そこには一人、兎のような耳を生やした美少女が。美少女は朱色の瞳を泳がせながら、様子をうかがっている。


「あ、あー……聞こえておるかの?」


 発せられた第一声。

 少し機械的な、女性にしては少し低い声。


【うおおおおおお!】

【喋ったああああ!】

【かわいい!!!】

【ktkr】


 美少女の横にコメントが浮かび上がり、ものすごい速さで流れていく。


「聞こえているようじゃの……よかったよかった」


【初配信きちゃ! おめでとう!】

【待ってました!!】

【初配信おめでとう!】

【おめでとう!】


 徐々にお祝いのメッセージで埋まっていくコメント欄。美少女の頭に生えた大きな耳が、嬉しそうにぴょこぴょこと跳ねる。


「まずは一つ……皆殿のおかげで、無事に初配信を迎えることができたのじゃ。本当にありがとう」


 深々と頭を下げる兎耳の美少女。コメント欄には【お礼言えてえらい!】【かわいい!】と流れる。


「はじめてわしを知ってくれた人もいるようじゃから、自己紹介をさせてくれぬか?」


【いいよ!】

【聞きたい!】

【wkwk】


 小さく頷き、美少女は高らかに自分の名を宣言した。


「わしの名は仙兎さん。皆殿に会うために人間界に降りてきた、新進気鋭の新人Vtuberじゃ!!」


 この日、美少女のじゃロリVtuber『仙兎さん』の伝説が、幕を開けた。

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おじさんバレから始まるバ美肉ライフ~30歳、妹の代わりにVtuberやります~ カンザキアヤメ @Kanzaki_Ayame

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