ハードボイルドで笑えてすらすら読めるぐろい良作、と警官は言った

これで終わりなの? と最初は思ったけど、確かにこれでちゃんと終わっている。なんでこの小説を読んだかというと、タイトルが気になったからです。私が好きな小説のひとつへのオマージュかと思ったけど、全然違っていた。むしろ「チェンソーマン」に近いかも。

ハードボイルドコメディとでも呼ぶべきか、それともディック風コメディと言うべきか、いずれにしてもテンポよく話が進んですらすら読めてしまう。書き慣れているか、もともとセンスがよいのだろう。

話そのものは恋人の仇を討つというだけだけど飽きさせず、楽しませてくれる。私は戦闘シーンが笑えて楽しかった。「チェンソーマン」って書いたけど、むしろ「カンフーハッスル」や「少林サッカー」に近い感じがする(ちょっと古い)。

感動したいとか、泣きたいとかそんなこと考えずに、ぐいぐい楽しいものを読みたい人にはおすすめできる。ぐろいの苦手だとダメかもしれない。子供の頃に、死んだ警官の腸で縄跳びできてラッキーっていう体験ある人ならすっごく楽しめるはず。