文芸部にだって、青春はある!

物語の舞台は小学校。個性的な仲間が集まって、リレー小説を書くことになりました。
本好き。おしゃべり好き。サッカー少年。病弱な子。謎めいた子。
性格が文章に表れて、それぞれの子が書いた作品はどれも特徴的。そこには技巧的なものよりも、個性が光ります。
楽しいという気持ちで始めた創作。けれど小説家を目指すなら、他人の評価がついてきます。
主人公ユメちゃんも不本意ながら、評価のある世界に巻き込まれていきます。

学校には様々な部活がありますが、文芸部のイメージは決して明るくはないと思います。文芸部と青春は結びつかないかもしれません。
でもこの作品は、青春そのもの。
リレー小説そのものが面白いですし、四人組で物語を作っていく楽しさにあふれています。個性が組み合わさってひとつの物語が完成することに感動すら覚えます。

大人が読んでも楽しい作品です。ハラハラワクワク、そして小説のことも勉強になる素敵な作品です。

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