第3話 執事庭野

「寒くないの?」


「え?あ、うん。人間界は私にはちょっと暑いかな。」


「悪魔って本当なの?設定?」


「本当だけど?まぁ、信じてもらわなくてもいいけどね。」


「ふーん。」


「反応薄くない?もっと驚いてもいいと思うんだけど。」


「そう言われてもねー。」


赤崎家の庭は広く、玄関から歩いてやっと車が見えた。庭野が車の前で待っている。


庭野が深く頭をさげた。頭を上げると笑顔はなく眉の間にシワがよっている。


「おはよう御座います、葵坊っちゃん。今日は変わった女性をお連れで。」


爽やかとは程遠い低い声が挨拶ですら嫌味っぽく聞こえる。

庭野が葵から鞄を受け取りながらラウルを見た。


「私は悪ま....」


「あー!!!」


ラウルを邪魔して葵が割って話した。


「この子は奏の昔のクラスメイトで、その、心配して迎えに来てくれたんだよ!ね?」


「え、いや、私は...あ、うん。」


庭野の目に圧倒されて思わず頷いた。


「ほう。おかしな格好をした友達とは類は友を何とやらだな。」


ラウルは下をみた葵の顔が変わるのを見た。


「で?その奏はどうした。」


「奏は今日は調子が良くないみたいで。」


奏はまだ下を向いている。

「またか。まぁいい。」


車の後ろを開けてくれた。

葵が黙って乗り込む。


庭野がお前はどうするんだと言う顔でラウルを見つめている。


「あ、えっと私はこれで!またねー」


ラウルは急いで消えて行った。

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あなたが落としたのは悪魔ですか? @kabocya_syousetu

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