ユニークな掌編

 会社のエアコンがどうしてかアノマロカリスになっている、少し不思議なSF小説。うるさい上司をアノマロカリスが喰ったところから、アノマロカリスとの不思議な夜を読者に体験させてくれる。アノマロカリスのキャラクターが可愛く、立っている。この世界では、人々の認識ではアノマロカリスがエアーコンディショナーとなっている。このアイデアを日本という土地全体まで拡大するところが光った。すべては海に沈み、読者でさえ、同じ運命を辿る。完成度の高いショートショートです。