これはある男女のお話です。
新木余裕と荒木静。この二人は世間や周囲からは天才と呼ばれるような才能を持っております。当然、天才と世間から呼ばれるということは、性格の個性は強し。
そんな彼と彼女が出会うのは、余裕の見つけた一つの絵から。
静は画家であり、まさに『天才』と呼ばれる。そんな彼女は多くを感覚的にとらえますが、病院にいたある日に彼女はある色に出会います。
その色は『余裕』の色。同じ病院にいた新木余裕でした。色を見つけたことによる出会いから、『急がば回れ』の物語が始まるのです。
この作者様の文章と書く表現は、まさにこの話にふさわしいと言えるほど。文学的とも言えるし芸術的とも言えます。
芸術にふれるってこういう事を言うんだな!
と私は思いました。
当然、お話も面白いです!
一読してみてはいかがでしょうか?
『急がば回れ、そして王道の意味を知る』は、人生の流れに疑問を持つ人々にとって心を揺さぶる物語だ。
作品は緊張感ある峠レースや絵のステージでの感動的な場面で興奮を呼び起こす一方で、人間関係や内面の探求に焦点を当て、深い共感を生み出す。静の芸術への情熱や余裕の自己成長の過程は、読者に自分の夢や目標に向かって進む勇気を与える。また、枢と静の親友関係の再確認や余裕と椎の出会いは、人間の絆と相互理解の大切さを教えてくれる。
『急がば回れ、そして王道の意味を知る』は、王道にとらわれず、人生の旅を自分のペースで歩むことの重要性を教えてくれる。余裕と静の物語を通じて、自分の人生における目標や価値観を再考し、新たな一歩を踏み出す勇気を得ることだろう。この作品は、生きる意味や目的を見つけるための旅路に出る人々にとって、心に響くエールとなること間違いない。
絵の芸術と、
車のレースアクション。
二本立ての物語です。
主人公の女性は、「色」の天才。怒涛のように、物語に色があふれだします。
太陽の色は? 月の色は? 怒りの色は? 死の色は?
色があふれて、まぜて、「けして違える事はない」
なぜなら、主人公は、色のッ、天才だからッ!
その、天才っぷりの熱量、半端なし。
読者は、主人公の放つエネルギー、怒涛の色への感性に、あっぷあっぷ、溺れそうになるほど。
で、ね。この物語、すごく「定型」を嫌います。主人公(女性)と、もう一人の主人公(男性)、運命が交錯しないようで、交錯し、でもやっぱり離れて……。ん? 恋愛もの……だよね? え?
誰と恋愛するの?
すごく、読めない展開です。
読者は、色の洪水と、男性主人公の「人生冷めた目で見てるよ」感に、翻弄されながら、ページを進める事になります。
先が読めないからこそ、スリリングです。
この物語を拝読していて、ははあ、この作者さま自身が天才肌だなあ、と私は思いました。
そんな、一風変わった、他でお目にかかれない、物語です。
僕なこの物語を読んですぐに思いました。
「ただ者ではないぞ!」
だから咄嗟にレビュ―を書いて応援したいと思う反面、もう少し知りたいなという欲求がすごくせめぎ合いました。それだけの輝きがあります。
物語はとても丁寧に、そして慎重に、さらにエキセントリックに進んで行きます。少し抽象的な表現になりますが、WEB小説は無料で幅広く読んでもらえる対価として、話数を進めて読んでもらうには作為的なエンターテイメント性を求められます。サクサク読めてストレスフリーというものです。
でも、この筆者様は独自の表現力で、独自の世界観を、独自の視点で、独自のリズムにおいて書かれております。これは強い筆力と熱い意志がなければ成立しません。現在42話まで拝読させて頂き、ぶれることなく貫いておられます。
だから、すごく面白い。
カクヨムのメジャーシーンに背を向けた作品は多いです、でもその中でも僕はこの筆者様が貫いておられる強靭な意志をもってして書かれる物語には、とてつもない大きな一本の筋が通っていて、あまりに異質な輝きを放っておられると感じてます。すごく魅力的です。これは原石なのかどうかと言うよりは、見ただけで感動を与えてくれる強大な巨石みたいな才能です。
そう易々と産み出す事の出来ない主人公男女二人を中心とします。表現がとてつもなく難しそうな二つの個性を、見事に物語として昇華させている手腕に感嘆させられてしまいます。
多くの人に読んでほしいという言葉は、語弊を産むかもしれません。だから、WEB小説のエンターテイメント性に飽きて、ふと歯ごたえがあり、なにか刺さったり、えぐったり、胸を突かれたり、そして唐突に心突き動かされる衝動を感じたい、そんな魂のこもった物語を探しておられる方に、是非お勧めしたいです。
僕は筆者様の近況ノートもチェックし、そのお人柄もなんとなく想像しております。熱く真摯な筆者様です。何かをやろうとする者だけが持つ、溢れる気概を感じます。そんな期待値を抱ける筆者様に僕は最大限のエールを送りたくて、すごく個人的にこのレビューを書いております。
皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)