夜想、わずか伸びて、まつ毛

木野かなめ

夜想、わずか伸びて、まつ毛

         驟雨落つ白いブラウス恋心

                   つ

                   て

   伸びをして香水二滴やわらかく  さ

                   突

                   然 

    制服の切る風をゆく星鴉    な

                   の

                   ね

   エクレアを頼りに過ごす夏未明  髪

                   洗

                   う


    猫

    じ

    や  新涼や鞄に忍ばすミルクチョコ

    ら

    し

    口

    に 肘をつきコスモス回しマミムメモ

    付

    け

    た

    ら   不揃いの石を並べて寝待月

    ヒ

    ゲ

    ダ

 朝シャンがほのかに香る秋の水

    ス


                 皆

                 毛

ビーズクッションにもたれて忘れ花 布

                 あ

                 る

 切り落とし人参の端に目鼻書く  ね

                 女

                 子

  短日に高橋留美子の短詩編   会

                 ス

                 タ

     ジッパーが春待つ頬にショートキス

                 ト

                 で

                 す


    文

口紅を唐机に立てフリージア

    に

    頬

    ぺ  春雨やスカート踊るツタヤまで

    つ

    と

    り 丁字咲くカレーをシェアし躍る胸

    と

    春

    時    素裸を浄机に委ね春落葉

    雨

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夜想、わずか伸びて、まつ毛 木野かなめ @kinokaname

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