竹取物語のその後を描いた、たった900文字の物語に出会った。かぐや姫が月に還ってから三月、帝の心境を短歌と散文で綴る作品だった。「眺むれば夜空に浮かぶ哀しみよ 愛しき君の横顔にも似て」という短歌が、すべてを物語っている。月を見上げるたびに姫を思い出してしまう帝の心が、透明な美しさで表現されていた。私もまた、手の届かない何かを想い続けた経験を思い出した。