その箱に、貴方の全てを閉じ込めておきたかった。

 天界で高い地位の父を持つ主人公。主人公は乙姫の友として、海の中の異界で暮らすことになった。乙姫には美しくも儚げな姉姫がいた。姉姫は結婚が破談となり、異界に戻ってきていたのだ。
 そんな中、乙姫に縁談が持ち上がる。しかし結婚の前に地上に行ってみたいと、乙姫が言い出したことで、運命の歯車は狂いだす。地上の青年に、乙姫が恋をしてしまい、縁談は破棄されるのだ。そして青年と乙姫の婚儀の際に、姉姫が盛装して現れる。浦島を見つめる乙姫。しかし青年は——。
 乙姫に婚儀のお祝いに贈られた、黒い箱。それにはある効力があった。

 果たして、乙姫と青年の運命は?
 青年の正体とは?

 西遊記から記紀神話、昔話から伝説まで、沢山の要素が詰まった作品です。
 
 是非、御一読下さい。